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企業組織内の心   

2008年 09月 04日

今の社会はグローバルに関係した社会です。特に企業は、自国内ではどうにもならない対外的変化に左右されますから会社自体が大変な競合の中にあります。そのなかで働いている人々が精神的に苦しんでいるのですが、大きな歯車のような組織が個人を無視して進んでいかなければならないこともまた無理のないところです。ある統計によりますと、20代から30代の働き盛の社員たちの死因の上位が自殺によるものです。
しかし、一方では、かなり会社の中心的存在である管理者層がかなりストレスに悩んでいるのです。そのストレスが、やがて鬱という自殺の可能性も多い症状に進んでいってしまうのですから、そのまま放置することはできません。。
中間管理層はサンドイッチ的な存在です。会社の圧力と、一般社員の間に挟まれて、どのように対応すべきかに戸惑ってしまうのです。会社は大きな組織ですから、ある意味で合理的に作られています。しかし、個人はそのレールの上になかなか乗ることができない場合が多いのです。つまり会社そのものは合理的であっても、その中に働く個人がさまざまな心の病によって感情的に不安定になり、合理的に活動できない状況に陥るのです。
いま重要に考えられていることの一つは、会社の方針が社員の人間性に大きくかかわっているかどうかです。経営者は会社の計数的経営方針を遂行するばかりでなく、微妙な個人の心にも感受性豊かであることが求められています。一人一人の社員は経営者を見ているからです。
先日も大企業の社長さんと人事部長さんが私を訪れました。IT関係の社長さんであり、赤字に悩んでいた会社を立て直し、証券二部上場になり、数百億の年収をもたらしただけに、大変な社長さんでもあります。計数的なことも大変ですが、その中に働く中心的な人たちが精神的な病になってしまうことに大変苦労されてこられたのです。それは潜在的に会社自体の生産性が落ちていることを意味しているわけですから、会社自体の将来に大変な問題を含んでいます。
一人ひとりの社員に対する心の教育ばかりではなく、経営者自身も大変なストレスの中にある孤独な存在ですから、常に心を開く人間学を学んでいく必要があるのではないでしょうか。その二つが一体化することによって全社員が活力を回復してゆくことでしょう。

日本グロースセンター 所長大須賀克己

by jgc-osuga | 2008-09-04 20:56 | 心の悩み

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